筋組織の凍結ブロック作製

未固定凍結ブロック

OCTコンパウンドに包埋した組織では、コンパウンドに包埋されている分、凍結に時間がかかり空砲化がおきやすくなりますそのため筋組織ではコンパウンドに包埋せず、以下の手順で凍結ブロックを作製していただく事になります。
この方法では、組織がむき出しのため、より慎重な扱いが必要となります。

手順

  1. 採取した筋は、各種操作まで乾燥しないように生理食塩水でぬらしたガーゼ等に包んでシャーレに入れておく。
    ガーゼは少し絞った程度が良い。あまり水気が多いと筋が膨化し、人工産物が増える。
  2. 採取した筋の一部(直径5mm、長さ1cmくらい)を小コルク片の上に垂直に立てて固定する。
  3. コルク片は小さな瓶の栓(径1~1.5cm)を薄く切ったものが良い。
  4. これを筋に立て、水で簡単に練ったトラガカントゴムで倒れない程度に固定する。
    この時、筋組織が埋もれるほどトラガカントゴムをつけすぎないことが大切である。組織は急速に凍結しないと氷の結晶ができる。特に筋組織は細胞が大きいので氷の結晶ができやすく、標本を見ると、細胞内に大小の空砲が多く出現してくる。急速に凍結するためには、液体窒素(-160℃)、アセトン・ドライアイス混合液(-90℃)が
    主に使用されているが、液体窒素を使用することをお薦めいたします。
  5. 組織を液体窒素内に直接入れると、組織の周りに気化した泡がたくさんできて。それが熱断熱効果となり凍結を遅らせる。気泡がほとんどでないイソペンタンを液体窒素で冷却し、十分に冷却したイソペンタン内で凍結する方法がとられている。
  6. 100mLのビーカーにひもをとりつけてつり下げられるようにして、この中に70~80mLのイソペンタンを入れる。
  7. このビーカーを静かに液体窒素の中に浸す。
  8. イソペンタンが均一に冷却するように撹拌棒か、大きなピンセットでイソペンタン液を絶えず撹拌する。
    最初は液体窒素が激しくガス化して白煙を出すが、しだいに白煙は少なくなる。イソペンタンが十分に冷えると、ビーカーの底に白い結晶ができ始める。

ピンセットで組織のコルク栓の所を持ち、一気にイソペンタン中に入れ、左右素早く、細かく動かす。

充分に冷却したイソペンタン内で組織を細かく動かすことが、よい固定をえるコツである。
組織を静かにイソペンタン内に入れたのでは、組織の周りのイソペンタンの温度が上昇し、それが組織を包み込む形となり、急速凍結とならない。
組織を少し動かすことにより組織のまわりの液は十分に動き、凍結が速やかとなって氷の結晶ができにくくなる。イソペンタン中に約20~30秒入れて固定したら、ドライアイスの入った箱の中に移し、そのまま1時間くらい放置し、組織周辺のイソペンタンを蒸発させる。

液体窒素が手に入らないときは、アセトン・ドライアイス混合液で固定する。

  1. 200mLのビーカーにアセトン(イソペンタンでもよい)を150mLくらい入れて、ドライアイスの小片を少しずつ入れる。
  2. ドライアイスから出る泡が一定してきたら、ピンセットで液を少し撹拌する。
  3. 組織ののったコルク片をピンセットで持って、アセトン液中に一気に入れる。組織の周りに泡がたくさんできるので、このときも組織を持ったピンセットを左右に素早く動かすことが大切である。液中に20~30秒置けば凍結は十分である。
  4. 凍結した組織はドライアイスの入った箱の中に1時間程度放置し、組織周辺のアセトンあるいはイソペンタンを十分に蒸発させてから、乾燥しないように密栓できるビニール袋が、バイエル瓶にいれて、-70℃以下の冷凍庫で保管する。筋をそのまま―70℃の冷凍庫にいれると急速に乾燥し、使用できなくなるので必ず密封する。

既固定凍結ブロック

固定液に組織を浸漬した状態で弊社まで送付してください。

 

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