凍結切片での免疫染色条件検討について

私たちは免疫染色の条件検討を行う場合、通常はパラフィン切片を用いて行います。

ただ、そうは言っても免疫染色の情報が無い抗体や自家製抗体などは、凍結切片を用いて特異性の検討を行うことも多々あります。

ブロック作製の過程で熱や有機溶媒を通すパラフィンより、工程が少ない凍結切片の方が抗原性が高く、抗体もワークしやすいのは間違いありません。

私たちは、組織を固定後にOCT包埋するものを『既固定凍結』、固定せずにOCT包埋するものを『未固定凍結』と呼んでいます。

『既固定凍結切片』の条件検討方法も色々あるのですが、今回はより新鮮で抗体の反応性が期待できる『未固定凍結切片』について書きます。

 

下記が私たちがルーティンで行っている検討内容と染色結果の一例です。

前処理として固定3条件、抗体濃度を3条件、ネガティブコントロール(NC)としてアイソタイプコントロールは必ず置き、先ずは18枚を染めてみます。この検討で糸口が見えないならその抗体はワークしない可能性が高いと考えます。

fixed_frozen1fixed_frozen2

 

前処理としての固定方法によりバックグランドが抑えられたり、特異性が変わることもあります。

ただ、ポジコン組織が特異的に染まったとしてもやっと入り口です。正解かどうかはまだ解りません。

同じ話になりますが、特異性を判断する上で重要なのはウエスタン、定量PCR、ネガコン組織の染色、ISHなど、色々なデータを総合して判断することです。

是非、お試しください。

 

 

 

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