バーチャルスライドシステムとHALOを用いた画像解析サービス開始しました。
標本組織全体での解析が可能となります。
- ISHや免疫染色の陽性部位の面積測定
- 線維化部分の面積測定など
今までの解析方法との違い
ImageJなどの画像解析ソフトを使用して陽性部位の面積測定を行う場合、以下の赤枠のように解析したい場所をJPEGなどの形式で部分的に切り出す必要があります。このように範囲(region of interest: ROI)を指定して陽性部位の面積測定を行うと、計測する場所により測定値が大きく異なり、正確なデータを得ることが難しい場合があります。HALOではバーチャルスライドのデータから組織全体を範囲指定して解析することができるため、測定範囲を選ぶ必要も、JPEGなどで画像を切り出す必要もありません。
試験の流れ
- 組織染色
- 染色画像のバーチャルスライド化
- 解析内容のお打合せ
測定閾値や範囲などの解析内容について、詳細をお打ち合わせさせていただきます。 - お見積り
- 解析
- 結果のご報告
解析例1 ISH陽性部位の面積測定
ISHの染色結果 | HALOによる解析画像 |
コロナウイルス感染動物の肺におけるin situ Hybridization (ISH)法によるウイルス遺伝子の検出
ウイルス遺伝子が紫色(NBT/BCIP)で染色されている(写真左)。写真右の赤色の部分が、HALOの解析で識別された陽性部位で、肺全体および陽性部位の面積をそれぞれ測定することができる。
解析例2 線維化部位の面積測定
ピクロシリウスレッド染色 | HALOによる解析画像 |
正常マウス肺のピクロシリウスレッド染色像
ピクロシリウスレッド染色により、コラーゲンが赤色で染色されている(写真左)。 HALOを用いた解析により、組織中の線維化した部位の面積を測定することができる。写真右では、シリウスレッド染色の陽性部位がオレンジ色で識別されている。
解析例3 繊維化部位の面積計算(血管除外)
Original画像 | 血管周辺部位を除外した解析画像 |
正常マウス肝臓のピクロシリウスレッド染色像
繊維化測定に不要な血管周囲のコラーゲン繊維を解析から除外するために、不要部分を任意に解析対象から除外することが可能です(写真右 ☆印:解析除外、△印:解析含む)。 HALO解析では組織を緑色、コラーゲン繊維を青色に識別しており、解析を除外した領域では解析されていません。
解析例4 マウス血管の面積測定
CD31抗体 | HALOによる解析画像 |
正常マウス(18.5日齢胎仔)のCD31抗体の免疫染色
HALOを用いた解析により、陽性部位(血管内皮)が赤色で識別されている。
解析例5 Ki-67陽性部分の面積測定
Ki-67抗体 | HALOによる解析画像 |
ヒト乳がん組織におけるKi-67抗体の免疫染色
HALOを用いた解析により、陽性部位が赤色で識別されている。
解析例6 Iba-1陽性部分の面積測定(対比染色の比較)
対比染色 | ||
ヘマトキシリン | ||
G-Blue* | ||
*:現在開発中 | Iba-1抗体 | HALOによる解析画像 |
正常マウス肝臓におけるIba-1抗体の免疫染色
一般的に免疫染色の対比染色は、ヘマトキシリンが用いられます(写真 左上)。
HALOで解析すると、Iba-1陽性細胞(赤色)はきちんと認識してくれますが、その他組織の認識が甘くなる場合があります(写真 右上)。
認識が甘いと組織の総面積を算出することができず、正確なIba-1陽性面積比率(Iba-1陽性細胞面積/組織総面積)を算出することができません。
対比染色をヘマトキシリンからG-Blue(現在開発中)に変更した場合(写真 左下) 、ヘマトキシリンでは認識が甘かったその他組織も認識できるようになり(写真 右下) 、より正確なIba-1陽性面積比率を算出することが可能です。
解析例7 特定領域の距離の測定
マウス皮膚組織のHE染色
HALOを用いて、皮膚(真皮)の組織厚を計測した。組織厚は各線の距離(平均)を用いた。
*当社では、距離測定にImage-Pro Premier (Media Cybernetics)も使用しています。