免疫染色の抗原賦活化ってどれが正解???

マウス腎臓 連続切片を使用
IHC1 IHC2 IHC3
論文A:無処理 論文B:酵素処理 論文C:熱処理

これまで研究者の方のご依頼で、1,000種類以上の抗体を用いて免疫染色(IHC)の条件検討を行ってきました。

その時に抗原賦活化条件によって全く染色結果、特異性が変わることでよく悩みます

同じメーカーの同じ抗体にも関わらず、論文によってIHCの賦活化条件(染色条件)が違うし染色結果も違っている、よくある話ですね。

それぞれは特異的には染まっていても、いったいどれが正解なのか???

その一例を再現してみました。。。

これはある有名な抗体なのですが、論文で使われていた3種類の抗原賦活化(染色条件)を用いて、IHCを行った染色結果です。

組織はマウス腎臓の連続切片を用いました。

ある論文は熱処理でした(右の写真)

ある論文は酵素処理でした(中央の写真)

ある論文は無処理でした(左の写真)

どうでしょう!?ほぼ同じ断面ですが3つの論文は全部違う染色結果になりました・・・

何が言いたいかというと、論文や抗体メーカーの情報だけを鵜呑みにしないことです。

染色結果を自分で検証することは本当に重要です。

方法は色々ありますが、先ずは全ての賦活化を試してみることです。

判断しやすい手段としてISH(mRNAの発現)との比較をお薦めします。

mRNAとタンパクの発現は全く同じだとは言いませんが、経験的にかなり相関した傾向が確認できます。

ちなみに以下がISHの染色結果です。

ISH

 

 

 

 

 

 

 

いかがでしょうか?

 

 

 

 

 

 

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